個人投資家の資産運用メモ帳 -お金に働いてもらうために

趣味のプログラミングで集めた過去の株価履歴データを使い、投資/資産運用手法について検証してみます。

資産と資産の種類

資産とは

 資産とは、お金に換算できる財産のことをいいます。お金そのものである現預貯金ももちろん資産です。

資産の種類

 資産にはいろいろな種類があります。

 具体的には、現預貯金、保険、株、債券、REIT投資信託等有価証券、棚卸資産(販売商品や原材料など)、現物不動産(土地/建物など)、有形固定資産(機械設備)、無形固定資産(ソフトウェアや特許権など)などです。

 このうち、個人資産運用の主な対象になるのは現預貯金、保険、株、債券、REIT投資信託、現物不動産などになります。

 このブログは「お金に働いてもらう」がテーマでもあるので、ブログで取り上げる資産は「増やすために買って保有するだけ」の資産である、株、REIT、債券、商品(金やプラチナ、石油など)、投資信託を対象とします。

 

 企業の株を1株保有するというのは、その企業の1口オーナーになることを意味します。会社があげた利益の一部は、配当金の形で株主に還元されます。配当金は株主の持ち株数に応じて支払われます。

 企業がうまくビジネスを成長させると利益も大きくなり、もらえる配当金の額は増えていきます。

 配当金は不動産でいうところの家賃収入に相当します。不動産と異なるのは会社の規模そのものが成長することであり、良い企業に投資をすると、投資先企業の成長とともにもらえる配当金が増えていきます。もらえる配当金が増えていくと株価が上昇します。実際には配当金が増えるよりも株価の上昇が先のことの方が多いですが・・。

 それはともかく、企業が成長していくというのは不動産でいうと建物そのものが勝手に大きくなっていくイメージであり、買った器そのものの成長にも期待できるところが株式投資の大きな特徴になっています。

 いろいろな資産の中で、長期的に最もパフォーマンスが良いのは株です。資本主義社会では企業成長が社会全体の経済成長をけん引しており、社会全体の経済成長が株資産に集まっていく構図となっているからです。

 もちろん、個々の企業の経営状況は悲喜こもごもであり、すべての企業が成長できるということではありません。あくまで経済全体での話となります。株式インデックス指数に連動する投資信託ETFへの投資は、全体の株に投資するということでもあります。株全体としては長期的に最もパフォーマンスが良いので、株式インデックス指数に連動する投資信託ETFへの投資は、長期的な資産運用における着実な運用手段の1つであるともいえます。

 しかし、気を付けるべき点もあります。株の短期価格変動は、企業の長期的な成長速度に対して「とても」大きいため、短期間で資産価値を下げることがあります。したがって、株は短期の資産運用には向きません(短期売買で利益を上げること自体が目的の場合は別)。また、運用資産のすべてを株に配分することもおすすめしません。

 最後に、、、

 日本の代表的株価指数である日経225平均は、1989年12月にバブルのピークで最高値38,957円を記録しました。それから30年以上が経過した2020年5月現在(20,000円前後)においてもこの記録を更新していません。1989年12月の価格は実体からかけ離れた異常値であったとしても、バブル崩壊後の日本経済の低調ぶりをあらわしてると思います。

 その後、2008年10月にリーマンショックの影響でバブル後最安値の6,995円を記録。日経平均もそこから見れば大きく回復しましたが、米国株の成長力には遠く及びません。日本の少子高齢化の進展や両国の経済成長の勢いなどを踏まえると、米国経済優位の状況は当面かわらないと考えられるので、資産の一部は米国株にも振り向けるべきと考えます。

 

REIT

 REITとは、不動産投資信託のことです。株同様、REITを1口保有するということは、REIT保有する不動産の1口オーナーになることを意味します。不動産とは具体的には、オフィスビルや商業施設、ホテル、住宅などのことです。

 REITは、不動産投資法人が投資家から集めた資金で不動産に投資します。投資家は不動産投資法人が発行する証券を1口単位で購入することでREITに投資します。

 発行された証券は市場で取引され、賃料収入から運用コストを差し引いた残りが投資家に分配金として配当されます。仕組は株とよく似ています。市場で取引されてますので証券1口あたりの価格は株同様日々市場価格で変動します。

 REIT個別銘柄の分配金利回りは信頼度や人気によっても変わり、人気のもので年3%強、一般的に4~6%前後が目安かなと思います。利回りが低い場合は信頼が高いことを意味しますが、一方で価格が高すぎるという可能性もあります。不動産と同じで分配金収入のために投資をする側面が強いので、分配金利回りの妥当性はチェックすべきかと思います。

 株との違いは、保有する個々の不動産の器が株のように成長するわけではないことと、一般的には株よりも配当利回りが良いことです。不動産価格が上昇する局面では証券価格も上昇します。

 REITは株よりもリスクが低いという人もいますが、過去に発生した金融危機では必ずしもそうともいえないことや、長期的に保有不動産の収益力が低下するリスクもあるので、一概にリスクが低いとも言い切れないかなと思います。しかし、経済環境が安定しているときは安定的に配当収入が見込めますので、自分年金のような資産運用をしたい方には向いている資産ではないでしょうか。

 最後に、、、

 この記事を書いている2020年5月現在、コロナ渦の影響で経済が低迷し、保有物件のテナントの倒産件数増→賃料収入の減少→分配金の減少という懸念があること、テレワークが進んでオフィス需要が減るのではないかという見通しもあること、から、なかなか手を出しづらい状況だと思っています。

 個人的には好きな資産なのでいつの日かまた投資しようとは考えています。

 

債券

 債権とは、国や地方自治体、企業が資金を借りるために発行する有価証券です。発行時に元本が返済される日と、元本が返済されるまでの間支払われる利子を確定し、1口単位で売り出されます。発行後は1口単位で市場取引されますので、満期をまたずに売ったり、市場から買ったりできます。

 株やREITとの違いは、「元本の返済が約束」されていることであり、発行体が債務不履行を起こさない限り満期まで利子を受け取り、満期で元本を受け取ることができることです(満期で元利一括返済するゼロクーポン債というのもあるが、詳細は省略)。

 市場金利は経済状況で変動します。これに合わせて市場で売買される債券の価格も変動します。市場金利が高くなると債券価格が下がることで債券利率を高くし、市場金利に同調する値動きをします。逆に市場金利が低くなると債券価格が上昇し、債券利率を下げる値動きをします。

 したがって、満期前に売買すると元本割れすることもありますが、その値動きは株やREITと比べると限定的になる、というのが特徴です。

 元本返済が「約束」された証券なので、現金同様、「安全資産」とよぶことがあります。ただし、リスクがないということではありません。発行体が債務不履行を起こすと元本は全額は返ってきません(ひどいときは返ってこない)。また、債務不履行のリスクが顕在化したときは債券価格が暴落します。このため、信用が高いほど利率は低くなり(債券価格は高くなり)、信用が低いと利率は高くなり(債券価格は低くなり)ます。

 2020年5月現在、コロナ渦により、世界中で金融緩和(金利は下がる)政策をとっています。円、ドル、ユーロなどの主要通貨の国債利回りはとても低くなっていて、預貯金の利回りとあまり変わらない状況となっています。巨額の資産を運用する機関投資家や金融機関向け商品という側面もあり、このブログでは先進国の国債は現金同様の扱いとしたいと思います。

 また、債券には、ジャンク債(クズ、がらくた)というすごい呼び方をされる債券があります。格付けが低く、債務不履行の可能性が高い暴落債券のことです。これらの債権は元本が返済されると非常に高い利回りを得ることができますが、債務不履行になると元本は返ってきません。私自身あまりこの道に詳しくないので、このブログでの取り扱いは当面は差し控えるつもりです。

現預貯金

 現預貯金が何であるかについての説明は省略します。

 現預貯金は、元本が保証され、信用度も非常に高い資産であることから「安全資産」とよばれます。

 安全の代償として、皆さんもご存じのとおり、ほとんどリターン(利子)はありません。社会全体の経済成長と比較すると、リターンが非常に小さい資産です。

 長期で運用する資産において預貯金は、リスクコントロールのためのバッファとして、または金融危機時におけるリスク資産の逃げ先としての役割となります。

 現預貯金は元本が保証されていますが、モノ不足などでインフレが進む場合、相対的に価値が失われていきます。また、目には見えづらいですが、経済成長で社会全体の資産価値が増えている場合、一定額の現預貯金は相対的に全資産に占める割合が小さくなっています。言葉を変えると、現金のみで資産運用している場合、株などの資産で運用している人よりも相対的に貧乏になっています。

 

商品(コモディティ)

 金融商品として市場で取引できる「商品」というのは具体的には金、プラチナ、銅、石油をはじめとする資源や、大豆、とうもろこし、肉をはじめとする食物などです。商品は純粋に取引時価がすべてであり、株やREIT、債券のような配当はありませんし、株のように成長することもありません。

 商品はインフレになると値段が高騰しますので、長期投資ではインフレの備えとして資産防衛目的で配分します。また、インフレ防衛目的で資産配分する場合は金やプラチナなどの貴金属への投資がメインとなります。

 さて、金やプラチナは現物を保有することもできますが、石油にはどうやって投資をするのでしょうか。

 商品には、「先物取引」という将来の取引価格を約束した金融商品があります。例えば、将来の●月x日に「石油1バレル〇円で買う」という約束を証券化したものです。この約束は証券化され、市場で売買されます。将来の約束である〇円の部分は、先物価格と呼ばれ、今現在の商品の相場価格に応じて日々変動します。つまり、先物価格は商品の相場価格に連動します。石油は、石油の先物価格に連動した投資信託ETFを購入することで投資することができます。

 

投資信託(ファンド)

 投資信託というのは、資産の福袋のようなものであり、投資家が投資信託証券を1口購入すると、資産福袋の1口オーナーになることを意味します。

 いろいろな種類があるのですが、ここでは株や債券、REITなど、資産価値が市場価格からすぐに計算できる証券のみで構成されており、かつ、いつでも売買できる投資信託(オープン型投資信託という)を使って説明します。

 投資信託の運用会社は、投資家から集めた資金の運用方針や運用報酬を決め、投資家から資金を調達します。運用会社が示す運用方針や運用報酬などの条件を書いた書面を「目論見書」といいます。

 投資家が目論見書を読んで投資信託に投資することを決めた場合、投資信託の販売会社(銀行や証券会社)から、1口単位で投資信託証券を購入します。

 運用会社では、投資家から集めた資金を、目論見書で開示した運用方針に沿って、株やREIT、債券などの証券で運用します。

 投資家から集めた資金で運用されるこれらの証券資産は、そのときどきの個々の証券の市場価格の合計で資産全体の価値が決まります。これを販売した口数で割ったものが、1口あたりの資産価格となります。この1口あたりの資産価格を「基準価額」といいます。このため、基準価額は投資信託保有する証券の時価によって日々変動します。

 オープン型投資信託の場合、投資家は、投資信託証券を、販売会社を通じて基準価額で売買できます。1口単位で売買できるので、少額から分散投資をすることができ、個人投資家にとってはとても便利な金融商品となっています。

 なお、投資信託には、購入費用と運用費用が発生します。

 購入費用が1%の投資信託を10,000円分購入する場合、1%にあたる100円は販売コストとして差し引かれ、9,900円で購入できる口数を購入することとなります。

 運用費用の内訳については、年率〇%として目論見書で必ず開示しています。ここで開示された運用費用は、運用する資産から毎日1日分が差し引かれ、その後に口数で割って日々の基準価額が決まります。

 投資家から集めてきた資金を、日経225平均を構成する企業の株に、時価総額の割合に応じた割合で保有するよう、日々売買する投資信託を作ったとします。この投資信託の基準価額は日経225平均とほぼ同じ値動きをします。このような投資信託を、インデックス指数連動投資信託(またはインデックスファンド)といいます。日経平均に限らず、スタンダードプアーズやダウ工業株30種、NASDAQなどに連動する投信もあります。

 インデックスファンドは、ファンドを構成する銘柄が時価総額の割合に応じた株数になるよう機械的に売買すればよいので、投資のプロに支払う費用が不要です。このため、非常に運用費用が安く、多くが販売費用0、運用費用年率1%未満で提供されています。このため、長期にわたって常にファンド運用成績の上位にきます(トップではない、上位=リターンがプラスというわけでもない)。

 インデックスファンドは、経済成長に着実に連動するという面において、個人投資家にお勧めの金融商品といえます。 

 投資信託は「資産の福袋」なので、多くの種類が存在し、販売会社を通じて購入できます。株に投資するもの、債券に投資するもの、REITに投信するもの、商品先物価格に投資するもの、これらを一定の割合でブレンドしたもの、よりどりみどりです。

ETF

 ETFは「上場投資信託」です。つまり、投資信託です。

 オープン型投資信託が販売会社を通じて基準価額で売買できるのに対し、ETFは株式市場に「上場」されているので、市場の取引価格で売買することになります。

 ETF投資信託ですので、日々基準価格が算出され、WEBなどで公開されています。実際はこの基準価格に近い金額で市場で売買することになりますが、ときに値が大きく動く局面では基準価格と市場価格が乖離することもあります。

 ETFは市場で手軽に売買できる商品として人気です。

 各国の株価指数に連動するもの、REITREIT指数に連動するもの、株やREITのグローバル指数に連動するもの、石油や金の市場価格に連動するもの、さまざまですが、基本的には何かの指数や価格に連動する商品がほとんどです。

 このため、運用費が非常に低く、個人投資家にとっても扱いやすい金融商品となっています。ちなみに、売買方法は個別銘柄株と同じですので、購入費用は証券会社に支払う取引手数料のみとなります。